世の中なんでも、わかりやすくないし、どれだけ説明されても理解なんてできない。

でも、あいまいなことを「書いていく」ことで、なにかが見つけられたらいいなって、そうおもってやってます。

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2010年6月28日月曜日

レイクサイド

僕にとって初めての東野圭吾作品『レイクサイド』を読みました。東野圭吾作品は映画化やドラマ化がおおくされていたり、周りの人から絶賛されているために僕は「読んで堪るか」とひねくれていたんですが、ついに読みました。

おもしろかったです。ただ、周りの絶賛に見合うだけのおもしろさはありませんでした。多分それは今回読んだのが『レイクサイド』というマイナー作品のためであり、メジャーな『白夜行』『手紙』『告白』なんかを読んだら俺も絶賛するかもしれません。

伏線は故意なのか、わかりやすく置かれているんですが、結末を予測することはなかなか難しいと思います。そしてこの作品の良い所は読了後に「納得できること」と「納得できないこと」を残していったことです。前者については「真相」と言い換えることができ、ミステリー特有の「あーなるほど」という心地良さや悔しさを感じます。後者については物語の内容に深くかかわりますので…


↓↓↓↓ 以下、ネタバレを含みます ↓↓↓↓





読了後に残る「納得できないもの」…それは人間そのものともいえます。


主人公やその妻たちを含む夫婦3組と教師1人で構成されるグループは全員共謀で「ひとりの人間の死」を隠蔽します。そんなことは普通であれば起こりえない、彼らの間には何があったのか?何が彼らをそうさせたのか?


それは「歪曲された愛」だと思います。子供のため…と想う「親の愛」が中学受験・学歴社会によって歪められ、夫婦たちを裏取引へ導く。「夫婦の愛」はその「裏取引」によって歪んでしまい「パーティー」や「自由恋愛」までに堕ちていく。主人公の俊介だけは「受験」に歪まされることがなかった、そして「親の愛」とも離れてしまっていた…それゆえに一度は警察にすべて話すという決断をする。しかし、自責感や「何かしらの愛」によって、結局はその決断を変える。


読者として心情を切り離して読んでしまえば、「こんなバカな奴らはいない」と思う。この人間たちは自分たちの行為によって結局何を得たのか?その代償はそれに見合うものだったのか?―まったく狂っている。…と言ってしまうこともできる。しかし、それは物語を俯瞰する読者と言う立場だから簡単にできるのであって自分が物語の登場人物の場合はどうなったのか…?そう考えると結構恐ろしい。

「恋は盲目」と言うが、「愛も盲目」だ。このような事態が現実に起こらないことを望む。


読了期間 6月中旬~6/27
評価 ★★★☆☆

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