世の中なんでも、わかりやすくないし、どれだけ説明されても理解なんてできない。

でも、あいまいなことを「書いていく」ことで、なにかが見つけられたらいいなって、そうおもってやってます。

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2010年11月12日金曜日

苦役列車

『新潮』12月号に掲載の西村賢太「苦役列車」を読みました。以下はツイッターに書いた感想を手直ししたものです。

人間は生まれつき平等だなんて嘘だ、と思わせられる作品。主人公の家庭環境から、怠惰な性格さえも生まれた境遇が大きく関わっているし、血というものは生きているかぎり、呪いのように付き纏う。

この物語のようになってしまった主人公の目には恵まれた者は蔑む対象でしかなくなってしまう。それが悲しい。

タイトルの「列車」というのも、意思とは関係なく進んでしまう堕落を示しているのだと思う。

僕は以前、電車で居眠りをしていて自分の降りる駅で扉が閉まった瞬間に眼を覚ました。
…待ってくれ!進まないでくれ!少しでいいから扉を開けてくれ!!…そう思ったところで電車は容赦なく進んでいく。この物語の主人公の様子とどこか似ていないだろうか?主人公はただ「居眠り」をしすぎただけなんだ。だけど、もう戻れないところまで行ってしまったのかも知れない。

誰だって「苦役列車」に乗ってしまう可能性はある。そして、自分が乗った列車から乗り換えるチャンスは僅かだ。僕だって、ひょっとすると「苦役列車」に乗ってそのまま終点ということもあり得る。そう思うと、すごく恐ろしい。

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