ウディ・アレン『マンハッタン』を観ました。1979年の作品ですね。
この映画は映像が美しいとか、モノクロが効いてるとか、台詞が良いとか、ラプソディー・イン・ブルーがマッチしているとか、色々言われているみたいだが、観てみて、取り立てて誉めたくなるのはそれらの点ではない。…かといって、ストーリーに深みがあるとか、哲学的な示唆に満ちているとか、そういう深みが感じられる訳でもない。(そういうのを読み取ることもできそうだけど)
じゃあ、この映画は大したことないのかと訊かれたら、いや間違いなく傑作だ…とついつい言ってしまうのだろう。多くの素晴らしい諸要素があるんだけど何が素晴らしいとか全然言えなくて。誰が見ても共通する素晴らしい点というのが映像美、台詞、音楽というだけで、みんなそれぞれが何か違った想いをこの映画に抱くのかなと思います。以下、私が感じたことをネタバレを含んで書きます
山ほどの理屈とジョークを並べ立てているインテリたちが結局は性的な欲求、♂と♀という記号に翻弄されて争い合う。そういうところがこの映画の面白さの一要素だと思う、人間なんてこんなもん…って具合に。最後の主人公の決断と行動だって、その一時のもので17歳の彼女がロンドン行きを止めたとしても、いずれはまた「やっぱり違った」「これこそが本当だ」と走り回るのだろう。人間なんてこんなもんなのだろう、仮に、この世に♂♀という区別がなくなってしまったら、争いごとの半分以上はなくなるかもしれない。だけど、そんなのやっぱり味気ないよね。
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