世の中なんでも、わかりやすくないし、どれだけ説明されても理解なんてできない。

でも、あいまいなことを「書いていく」ことで、なにかが見つけられたらいいなって、そうおもってやってます。

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2010年12月28日火曜日

蛇を踏む

第115回芥川賞受賞作、川上弘美『蛇を踏む』を読みました。

彼女の作品は「もの」が変幻自在なので、はじめはすごく戸惑ってしまうのですが、読んでいるうちに自然とそれを受け入れて頭で想像し、皮膚で文章を感じることすらできてしまいます。

上にわざとひらがなで「もの」と書きましたが、彼女の作品では漢字で書くような確固としたイメージの「物」はありません。すべての「もの」が形を持ちながら、その姿も性質も容易く変わってしまいます。

読んでいて、夢を書いたような話だなという印象が頭をかすめたのですが、実際のところ、夢という言葉でもしっくりと来ない世界観です。(彼女はあとがきで自身の小説を「うそばなし」と呼んでいました。)

話の一つ一つが何を示唆しているのか、何を読み取って欲しいのか、まったくわかりませんが彼女の文章には想像を喚起させ、全身をあわ立たせる力があります。彼女の小説を他の言葉で説明すること自体、不可能に感じてしまう種類の作品でした。(だからその点で、この作品の解説を書いた人や、芥川賞の選考に係った人にも対しても恐縮しました。)

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